昨年開催した人形浄瑠璃とくしま座レクチャ―&公演では、太夫、三味線奏者、そして演劇の俳優など毎回様々なゲストをお招きして、観客のみなさんと一緒に意見交換をし、徳島の定番「傾城阿波の鳴門」の新しい演出方法を2年かけて考案してきました。
その集大成として出来たのが「傾城阿波の鳴門順礼歌の段」の番外編【順礼鶴泪子守唄】。
人形浄瑠璃では、母お弓が主人公で、大阪玉造の場面から物語が進行していきますが、この番外編は、子どものおつるからの視点に代えた作品で、観客の皆さんからいただいた
“主人公をおつるにしてほしい”、
“徳島から大阪へ行く道中の場面があるといい”、
“徳島の特産品が出てきてほしい”
など面白いアイデアを取り入れ、人形遣い勘緑さんが脚本を手がけました。
今年3月には、講談×人形のみでのプレ公演を行い、この度、太夫の語りと太棹三味線による音楽「浄瑠璃」も加わり、いよいよ完成となりました。
作曲は鶴澤友勇さん(淡路人形座)、そして物語を進行するのは、太夫の竹本友和嘉さんと国際派講談師の玉田玉秀斎さんです。
現代語の台詞に挑戦し、情感をたっぷりと語る「浄瑠璃」と、独特の調子とメリハリ、そして張り扇の効果的な音でテンポよく物語を展開する講談の掛け合いは必聴です。
●出演者
・浄瑠璃人形遣い 勘緑
・太夫/竹本友和嘉、三味線/鶴澤友勇
・講談師 玉田玉秀斎
・人形浄瑠璃とくしま座
主催/徳島県地域伝統文化総合活性化委員会
阿波十郎兵衛屋敷、人形浄瑠璃とくしま座