1917年4月に開所した第一次大戦のドイツ兵俘虜収容所「板東俘虜収容所」では、ドイツ兵たちによって様々な文化活動が行われていました。中でも盛んだったのは音楽活動であり、1918年にはアジア初となるベートーヴェン交響曲「第九番」の全楽章演奏に成功するという歴史的な演奏会も行われました。音楽活動に関しては、第九演奏会と同じ1918年、徳島公園内千秋閣にて「和洋大音楽会」を開いた記録も残っています。地域住民による箏や尺八の楽団と、板東俘虜収容所のドイツ兵によるオーケストラが、三部構成の演奏会を成功させた盛大なコンサートでした。これは音楽を通した日独交流が当時からあったことが窺い知れる貴重な演奏会です。開催から100年を迎える2018年、音楽により実現した日独の友好、和洋大音楽会が、時を経てドイツ館に蘇ります。
■出演■
指揮:岡山茂幸
ソプラノ:岡村由香
日本舞踊:音羽菊公
司会:安倍久恵
演奏:徳島エンゲル楽団
合唱:NPO法人 「鳴門」第九を歌う会
日本舞踊:音羽菊公中
■プログラム■
第1部 邦楽演奏 徳島邦楽集団
都山流本曲「平和の山河」/中尾都山
古曲「千鳥の曲」/吉沢検校
現代曲「小組曲(星の祭り、月の出、なぎさと太陽)」/三木稔
第2部 日本舞踊 音羽菊公中
江戸の祭り
第3部 洋楽演奏 徳島エンゲル楽団
ドナウ川のさざなみ/イヴァノヴィチ
宵待草/詞:竹久夢二・曲:多忠亮(独唱 岡村由香)
友愛の花/詞:高橋敏夫・曲:新川清
歓喜の歌/詞:シラー・曲:ベートーヴェン